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入札基準の見直しを京都市教委に要望 京都府商工団体連合会

入札基準の見直しを京都市教委に要望京都府商工団体連合会は2月8日、文部科学省がすすめる「スクール・ニューディール構想」に関連する入札基準の見直しを京都市教育委員会に要望しました。要望書をご紹介します。

 

要望書

2010年2月8日

京都市長
門川 大作 様

「経済危機対策」「中小企業の受注機会増大」につながらない
「スクール・ニューディール」の入札基準の見直しを求めます

京都府商工団体連合会
会長  伊藤 邦雄

1.政府文部科学省の「経済危機対策」に逆行する大企業・ヤマダ電機の独り占め

 政府文部科学省の「スクール・ニューディール構想」に基づいて行われた京都市の2月1日開札の校長室・職員室用のデジタルカラーテレビ等の落札は、京都市内全行政区で株式会社ヤマダ電機が独占しました。株式会社ヤマダ電機は、群馬県高崎市に本社を置く東証1部上場(資本金707億円)の日本有数の大企業です。

  そもそも文部科学省は、昨年6月、「スクール・ニューディール構想など経済危機対策の推進に当たっては、地域の中小企業の受注機会の増大に努めるとともに、迅速かつ柔軟な発注を行い、地域の活性化に資するよう、よろしくお願いいたします。」(平成21年6月16日 文部科学大臣塩谷立)と、その運用について注意を促しました。

  しかしながら、京都市の対応は、これら「地域中小企業の受注機会の増大」に配慮した柔軟な運用がまったくなされないまま、大企業優先の施策が推し進められています。

  「街の電気屋」として行政からの依頼で、学校、福祉・介護施設など様々な事業所へこまごました製品を納入したり修理等の仕事をしているのが地域の中小業者です。今回、政府が「地域経済の活性化」として「地域の中小企業の受注機会の増大に努める」と打ち出した「まとまった官公需の受注」について、市内、府内に本社を有しない大企業がもっていくようなことには、到底納得がいきません。

  中小業者は、自らが地域住民、消費者、生活者であり、地域社会の向上、文化の担い手として、府民生活と地域社会に深くかかわって歴史的に形成されてきました。中小業者は、子どもたちのすこやかな成長のためにも、大きな役割を果たし、伝統文化・芸術の担い手としても、さまざまな技術の継承者としても大きな役割を果たしています。中小業者は、「大資本のためのまちづくり」ではなく、「生活し働いている住民のためのまちづくり」の推進者としての役割を果たしています。大量生産、大量消費、大量廃棄の大企業型の経済が環境問題等を引き起こし行き詰まっている現在、これに代わる人間尊重の生産、流通システムづくりでの中小業者への期待は大きなものがあります。

2.「中小企業優先や府内・市内に本店を置く」など地域要件の設定を

 福岡県は、「平成21年度福岡県中小企業受注確保対策部会の取り組み」の中で、「地域活性化・経済危機対策臨時交付金等、経済対策事業に関する物品(スクールニューディールに係る地上デジタルテレビ、パソコン等)購入については、県内中小企業の受注機会を確保するため、今年度に限り次の方策を講じることとする。」としています。

  「入札参加条件の設定」については、「県内中小企業」であることを入札参加の条件とする。(県内中小企業が応札できない時は、大企業にも参加を認める)」としています。

 徳島県は、「県内企業優先発注及び県内産資材の優先使用のための実施指針」にもとづいて、県が発注する建設工事に係る契約においては、「技術的難易度の高い工事等で県内企業では施工が困難なものを除き、原則として県内企業を選定する」としており、「下請業者選定にあたっては、県内企業の優先的な選定を文書で要請」するとしています。

 重要なことは、「県内企業の定義は、県内に本店を有する事業者」となっていることです。

 名古屋市は、名古屋市契約事務手続要綱、「工事の請負契約における競争入札参加資格の特例」において、「第6条 予定価格が1,000万円以上の工事の請負契約について一般競争に付す場合は、高度又は特殊な技術を要する工事等を除き、原則として、競争入札参加資格に、市内に本店を有する事業者とする地域要件を設けるものとする。」としています。

  福岡県、徳島県、名古屋市などの一例は、「官公需の中小企業への受注機会の確保法」に基づき、入札参加資格に「県内中小企業」あるいは「県内・市内に本店を有する事業者を優先する」という地域要件が設定されていることです。

  そのほかにも、「中小企業者の官公需受注機会の確保」を目的とした条例や規則、事務処理要領などの指針を制定している自治体は、新潟県、青森県、福島県、茨城県、千葉県、福井県、熊本県、山梨県、滋賀県、大阪府、兵庫県、北海道、群馬県をはじめ、盛岡市、宇都宮市、我孫子市、平塚市など少なくありません。

3.「官公需についての中小企業者の受注確保法」や「文部科学省方針」に照らし「スクール・ニューディール」入札基準は、ただちに見直しを求めます

 「官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律」第1条(目的)は、「この法律は、国等が物件の買入れ等の契約を締結する場合における中小企業者の受注の機会を確保するための措置を講ずることにより、中小企業者が供給する物件等に対する需要の増進を図り、もつて中小企業の発展に資することを目的とする。」としています。

  また、第7条(地方公共団体の施策)は、「地方公共団体は、国の施策に準じて、中小企業者の受注の機会を確保するために必要な施策を講ずるように努めなければならない。」と定めています。

  「スクール・ニューディール」構想の推進に関するお願い(平成21年6月16日文部科学大臣塩谷立)は、「さらには、『スクール・ニューディール』構想等の推進が、地域経済への波及効果をもたらし、地域の活性化にも資することが期待されています。各地方公共団体におかれては、これらを十分に考慮していただき、特に別紙の事項を中心に、迅速かつ積極的に取り組んでいただくようお願いします。」とし、「別紙 要請事項」は、
 1.学校の耐震化の推進等、
 2.学校のエコ化の推進、
 3.学校のICT化の推進、
 4.公立中学校武道場の整備等を掲げ、
「文部科学省としても関係省庁と連携しつつ、この実現にむけては、地方公共団体を全力でサポートしてまいる所存ですので、よろしくご協力をお願いします。なお、スクール・ニューディール構想など経済危機対策の推進に当たっては、地域の中小企業の受注機会の増大に努めるとともに、迅速かつ柔軟な発注を行い、地域の活性化に資するよう、よろしくお願いいたします。」としています。

 京都市のスクール・ニューディールは、「2月1日開札の校長室・職員室用のデジタルテレビ等の落札」に引き続き、2月10日より12日まで予定価格7億9千万円に及ぶ小中高等学校等の普通教室用デジタルテレビ等の入札が行われます。

  つきましては、「官公需についての中小企業者の受注確保法」や「政府・文部科学省方針」に照らし、また他府県・自治体の入札基準などを踏まえて、ただちに入札基準の見直しを強く求めるものです。